たかじんが逝去する3ヶ月前から、さくらはたかじんの妻であったが、「殉愛」でいうところの誰も知らなかった741日間において、たかじんとさくらのポジショニングはどうだったのだろうか。

★2011.12 ・出会い前~電話番号・アドレス交換


フェイスブックに「チャーミングなおじさんを見た」とその様子を書いた。
すると家鋪から「それ、ぼく」というメールが来たが、冗談だと思った。「家鋪隆仁」と「やしきたかじん」が結び付かなかったのだ。(さくらは家鋪隆仁の読み方を知らなかった
)
たかじんは自分の携帯電話の番号を知せてきた。さくらは少し迷ったが、
自分の携帯番号とアドレスを教えた。


・・・携帯番号を教えたたかじんに対して。自らアドレスをプラスして教える積極的策に出たということ。普通に考えて、女性が会ったこともない男性に対する行動ではない。たかじんを知らなかったことも信じられないのだが、一歩譲ったとして、有名人と知って売込みにかかったと思われても仕方ない。
事実、殉愛の真実の取材に応じたKマネの話しでは、さくらの方から猛アタックがあり、F.Bに顔写真を載せていない人は信用しないと言うたかじんに対し、載せたものを送ってきたとのことだ。


★2011.12.25 ・最初の出会い

【引用 :殉愛 26p】
しかし、憂鬱の理由はそれだけではない。フェイスブックで知り合った男性に、何日も前から「クリスマスのオフ会に来て下さい」としつこく催促されていたことだ。さくらは「行けたら行きます」と返事していたが、男性からは当日にも「何時ころ来れますか?」というメールが入っていた。

【引用 :殉愛 30p】
ところがさくらを横に座らせておきながら、彼はまったく話しかけてこない。ときどき、ちらっとさくらの顔を見るとすぐに目を逸らし、にやにや笑って酒を飲むという具合だった。さくらは少し腹が立った。自分から隣に座れと言っておいて話もしないなんて、イタリアでは考えられない。

【引用 :殉愛 31p】
たかじんが歌ったのは「順子」という曲だ。奇しくも二年後にさくらのために最後に歌った曲と同じだった。
たかじんは歌詞の中にある「順子」という名前を「さくら」に替えた。

【引用 :殉愛 31p】
店に来てから二十分以上経っている。もう十分約束は果たしたと思い、「そろそろ失礼します」と言って席を立った。引き止められはしなかった
(中略)
「フェイスブックのオフ会と聞いていましたが、実際はやしきの友人がフェイスブックで綺麗な女性を集めた合コンみたいなものでした。やしきはそんな女の子たちに囲まれて嬉しそうに酒を飲んでいるおじさん、というイメージしかありませんでした。

・・・この日は伊夫イヴァンがヒルトンホテル大阪に来ている日である。その中で人妻がFBのやり取りしかない男性の誘いで、のこのこと出掛ける神経が理解出来ない。何らかの意図・使命が有ったとみる方が自然だろう。もしかすると愛人経験を持つさくらの「多情な性分」が騒いだのかもしれない。

★2011.12.27 ・最初のメール


彼から来た初めての携帯メールだった。
「落ち着いたら、いつでも遊びに来てください。近所だし、僕も是非またお会いしたいです」
さくら「年末は仕事ないんですか、会えたらいいですね」
たかじんは「明日、鉄板焼き屋へ行こう」と提案した。さくらは「はい」と返信したが、半分以上は本気でなかった。「明日も沢山お友達がいらっしゃいますか?」と訊くと「ぼく、一人」との返信メールだった。
一対一で会うと聞いて困った。これでは完全にデートじゃないか。なぜこんなに積極的なのか。

・・・たかじんが積極的と言うが、即座に「はい」と答えたさくらも十分積極的だ。また、伊夫は大阪滞在中なのに。

★2011.12.28 ・再会の約束

さくらはたかじんにメールを入れた。
「妹はまだ生まれそうにないので、今日お会いできるのを楽しみにしています
その後妹が出産し、この日は会えなくなったが、三十日に会う約束をする
メールを終えたさくらは不思議な気持ちだった。この人はもしかしたら寂しがり屋なのかも知れない。ただ、デートの気分ではなかった。優しいおじさんに会うだけだ


★2011.12.30 ・最初のデート~たかじんマンション入室~プロポーズ~たかじんが手を握る


【引用 :殉愛 36-43p】
(前の日の夜)部屋に行くのは絶対にやめようと思った。
三十日になると、憂鬱さは一層増した。できたらドタキャンしたい気分だった。彼に急用が出来たらいいのになあと思っり、あるいは誰かと一緒ならいいなと思ったりした。しかし夕方に「待ってるよ」というメールが来て、覚悟を決めた。
家を出るとき、余計な誤解をされないよう、スカートをやめてパンツを穿いた

二人は約束した鉄板焼き屋へ入ると、たかじんは自分の身の上話を始めた。離婚歴や昔付き合った女のエビソートだった。

「どうして、私にそんな話をするんですか」とさくらは訊いた。「あまりいい話じゃないと思います」
「ぼくのことを知ってもらいたいからや。いいところはあとからゆっくり見てもらつたらええ。だから、悪いところを先に言っておきたい」
なるほどな思った。
(中略)
午後七時を過ぎたころ、「ところで」とたかじんは言った。
「妹さんにお祝いを用意してるんやけど、家まで取りにけえへん?」
さくらは内心で、やっぱりそうきたか、思いながら、「やめておきます」と答えた。
「何もせえへんから」
「わかっています。でも、帰らないといけないし」
「だから、お祝いを渡すだけ」
たかじんはしつこく食い下がった。
「それでは、受け取ったら帰ります」
さくらはたかじんのマンションに行き、玄関を入ったところで、「ここで待っています」と言った。廊下の壁にはたかじんの写真が何枚も飾られていた。いかにもプロのカメラマンが撮った、魅力的な写真ばかりだった。
「素敵な写真ですね」
「中にもいっぱいあるよ。写真も見てほしい」
「じゃあ、写真だけ」
(中略)部屋の中央の座卓には祝い用のフルーツがバスケットに山盛りにされていた。

たかじんは更に、お金と「Love Sakura」とサインしたCDを渡したが、さくらは「結構です」と言って押し戻した。゜「ほくにそんなこと言うの君くらいやで。そのんのおばちやんやったら、卒倒するで」とたかじんが言い、ビデオのスイッチを入れると「たかじんのそこまで言って委員会」の映像が流れた。画面に映っている人が今、自分の横にいるのが不思議な気がした。その間にたかじんはパジャマに着替えた。

突然、たかじんはそりまでニコニコしていた表情を険しくすると、さくらの目の前に正座した。
「テレビの仲ではあんなふうやけど、実際のぼくはこんな人間や」
さくらはどう答えていいかわからず、うなづいた。
「二十五日に会ったとき、これやっ!と思った」
「どういう意味ですか?」
「昔、すごく好きやった女がいて、その人にそっくりなんよ。店に入ってきたとき、その女性が入ってきたと思った」
(中略)・・・しかしたかじんの目は真剣そのものだった。いや、自分を眩しそうに見つめている感じさえした
「ぼくはもう六十二歳で、あと何年生きるかわからんけど、最後の女に決めました。だから・・・結婚してくれんか」
いきなりのプロポーズに驚いた
「突然、こんなこと言われても答えられんと思う。すぐに返事が無理なら、結婚を前提に付き合ってもらえないか」
「気持ちは嬉しいです」とさくらは言った。「でも、どうしてよく知らないのに、そんなことを言うんですか。それに、もうすぐイタリアに帰りますし」
「これは直感や、ぼくにはわかる。ぼくが最後の女に言ったからには、絶対にそうする」
返答のしようがなかった。はぐらかそうとしたが、彼の顔は真剣そのものだった。
「ぼくのことを全部わかってほしい。借金もないし、おかしな連中とも付き合っていない。女は何人かいるけど、全部、切る
(中略)
「今夜はこの辺で失礼します」
さくらが告げると、たかじんは「もう行っちゃうの?」と悲しそうな顔をした。少しかわいそうになって、立上るのに一瞬躊躇した。すると突然手を握られた。やばい、と思った。情に流されてはいけない

(中略)

たかじんは胸が痛くなり、さくらはたかじんが服用している薬のことを調べた。違う病気じゃないかと言い、東京の山王病院をすすめる。

(中略)
たかじんは「待って」と言って、頬にキスしてきた。・・・どきどきした。たかじんの手が震えていたからだ。
家に着くと、たかじんからメールが届いていた。
「さくらちゃん、運命の出会いが出来た日ですね。・・・新年早々会いたいです。いつがいいか、また教えてください。では、おやすみなさい」
さくらは素直に嬉しいと思った

・・・会って二回目でプロポーズするのは信じ難い。失礼な言い方になるが"あのたかじん"であり、付き合っていた女性は他にも多数いたのにだ。「女は・・・全部、切る」とあるのは物語上のカモフラージュとしか思えない。
「何もしないから・・」随分と古典的な誘い文句を用いたことと思うが、意図するところは所詮身体だ。「スカートをパンツに」「そう来たか」、さくらは予測していたにかかわらず入室している。実際に何が起こったのかは不明だが、実はコトを期待していたのだろう、「・・・ドキドキ」「嬉しい」のセリフがマッチする。

★2012.1.1 明日も


たかじんの「明日、会いたい」いう誘いにすんなりと応じた

★2012.1.2 ・初めてのキス

たかじんはおでんや尾頭付きの鯛塩焼きなどを用意していた。さくらは鯛の頭を見て、「怖い」と呟く。

【引用 :殉愛 66-70p】
「魚の目がこっちを見ているみたいで・・・」
彼はキッチンペーパーで鯛の頭を隠し、自慢げに「これでどうや」と笑った。その瞬間、さくらは自分の胸がキュンとした気がした。
(中略)
「こないだの話しやけど・・・」
プロポーズのことを言っているのはすぐにわかった。
「すぐに結婚は無理でも、彼女になってほしい
「もうすぐイタリアに帰りますし、彼女も無理です」
たかじんの気持は嬉しかったが、付き合う事は出来ない
「仕事や金のことなら心配いらん。日本に帰って来てほしい。それでぼくの彼女になってほしい」
「今すぐには答えられません。考えさせて下さい」
「考えている間に、他に男を造らないと約束してほしい」
「考えると言ったから、その間は作りません」
そう言うと、たかじんは嬉しそうな顔をした。
「ほな、彼女ということでええな」
「え、そうなるんですか」
「うん、そうなるんや」

そんなやりとりが一時間近く続いた。さくらは半ば根負けして言った。

「わかりました。でも、先のことはわかりません」
たかじんは、「やった!」と大喜びした。
すると、さっきまでの強引さは影を潜め、急にもじもじし始めた。そしてうつむきながら、「彼女になった記念にキスしてええ?」と訊いた。「だめです」と答えても、たかじんは諦めなかった。さくらは半ば押し切られるような形で唇にキスされた。唇を合わせるだけの軽いキスだつたが、彼女はあまりの強引さに傷ついて、少し泣いた

帰り道、さくらはいろいろ考えた。「どうしてキスしてしまったのか?」「彼女になるってどういうことなのか?」「イタリアと日本で遠距離恋愛なんて出来るのか?」

さくらはいつしか恋に似た気持ちを抱き始めていた。でもみしかしたら遊ばれているのかも知れないという怖さもあった。
(中略)クリスマスのオフ会のときにいた女の子たちも皆、彼の彼女ではないのだろうか。自分がその一人になるのだったら、絶対に嫌だ。

・・・伊夫イヴァンはまだ大阪滞在中で、帰国を翌日に控えた日であることが前提にある。
男性の自宅に正月料理をふるまわれに訪問すること自体で、さくらの人間性が疑わしいが、「キュンとした」「恋に似た気持ち」の言葉は、やはり積極的に出たからこそだろう。案の定「キス」され、恋愛を意識している。

★2012.1.3 ・たかじんの友達


午後八時すぎに着くと、たかじんの友人が七人もいた。友人たちはさくらに向かい、たかじんの素晴らしさを語った。皆で さくらを説得にかかっているようだった。
さくらは、このためにわざわざ友達を集めたのかと呆
れたが、一方で、自分の為にそこまでしてくれることが嬉しくもあった


★2012.1.4 ・二回目のキス

さくらはデパートでお粥を買って、午後九時ころにたかじんのマンションに行った。
お粥を少しだけ食べると、さくらにキスした。
唇を合わせるだけのキスだったが、二日前のときより時間は長かった

・・・伊夫イヴァンが帰国したら、「キスの時間」が長くなったのか。

★2012.1.5 ・初めての足裏マッサージ

【引用 :殉愛 72p】
さくらは「顔だけでも見たい」と言われたので、午後十時すぎに訪ねた。
たかじんは相当に疲れた顔をしていた。イライラしているときはフットリフレクソロジー<足裏マッサージ>がいいという話ををすると、彼は「行ってみたい」と言った。
「私がしてあげます」とさくらが言った。
実はこの日、たかじんのためにマッサージ用のオイルも持参していた。自分がネイルサロンで使っているものだ。
(中略)
たかじんはマッサージ中に眠りについた。

・・・話題をマッサージに振り、興味を示すと私がしてあげます、さらにオイルも持参していたとは用意周到過ぎて驚く。実は、マッサージ付きの秘書契約なのかと思ってしまう。V社秘書と言いながら、実はF社長と月43万円の愛人契約だった事実と連想させられる。

★2012.1.6 ・五日連続で会う

朝、たかじんからメールが入る。「・・・四時くらいに来てもいいよ。待ってます」
いつのまにか恋人みたいな関係になっていると思いながらも、嫌な気はしなかった。
これで一月二日から五日連続で会っていることになる。少し話してから、昨日と同じく足裏マッサージを施した。


・・・「恋人みたいな」とあるが、たかじんが時間指定で「来てもいい」と言っているのは、主従の関係とも、さくらが求めたともとれる。

★2012.1.7 他の女

たかじんは他の女をマンションに呼ぶ。

・・・この日は、毎日呼んでいたさくらでなく「他の女」を呼んでいる。たかじんは、さくらを都合のいい女の一人に仕立てあげようとしていた証しだ。やはり、12月30日のプロポーズは無かったと考える方がしっくりくる。

★2012.1.8 合コン

たかじんは友人達と合コン

★2012.1.9 ・求めないたかじん

お好み焼きを食べながら、さくらは彼が迫ってきたらどうしょうと不安だったが、その時は断る気でいたが、オイルマッサージを施すと、たかじんは眠った。
さくらは、たかじんはなぜ求めないのだろうか考える。
会うたびに軽いキスと、肩を抱いたりするスキンシップはあった。
「しんどそうだから、そういうことをする気にならないのか」
「おじいちゃんだから欲望がないのか」
「私を守ってくれているのか」
「私に女性としての魅力がないのか」
「派手な女性たちが好みなのか」

・・・人妻なのに、「もとめない」理由を思いめぐらすのは、やはり「多情」が為せる業なのか。

★2012.1.10 電話

電話で二時間話す。

★2012.1.11 ・向かいのマンション

たかじん「イタリアから日本に帰ってきて」ほしいと告げるが、さくらは「簡単ではない」と答える。
たかじんが向かいのマンションで暮らすことを提案、さくらは「面白いかも」と思った。
足裏マッサージをするとたかじんはそのまま眠った。

・・・向かいのマンションへは、約二ヶ月後に越すことになるのだが、この行はその為の前提を意識して書かれた作り話だと思う。それにしても「面白いかも」とは、既にイタリア帰国をしない意図が透けて見える。

★2012.1.13 ・初めてのディープキス

たかじんが夜七時ころに来てほしいとメール。さくらは黒船のどら焼きを買って行く。DVDのキスシーンがあり、たかじんが「ディープキス」をしてきた。さくらはものすごくドキドキした
さくらは収録で疲れたたかじんを見て、入院が必要なほど悪いのじゃないかと思う。
たかじんが三百万円を渡す。「秘書をしてほしい」「病気になるかもしれないので、そばにいてほしい」
さくらは「秘書にしたいという真摯な気持ちは伝わってきた」

・・・この三百万円の真偽は不明だ。もし渡していたとすると、愛人契約を結んでいたV社F社長から渡された2.800万円と同じ意味合いのものだと思う。遺産相続に絡む言い訳の可能性も考えられる。
「ディーブキスでドキドキした」とは、数回の結婚歴と愛人生活から思うに、失笑ものだ。
(※F社長の件はこちらで・さくらを通り過ぎた男達)

★2012.1.14 ・秘書の形

さくらは三百万円を返そうとするが、たかじんは受け取らない。さくらは「じゃあ、少しずつ経験していきます」と答える。
たかじん「秘書の件もいい形を考えよう」

★2012.1.16 ・チケットを引き裂く

たかじん「検査したら、食道のところにビラビラがあるみたいねん。まあ、食道ガンらしいわ」
さくらはネットで調べ、ステージⅢなら五年生存率30%以下なことを知る
さくらは「これから少しずつ少しずつ、大変も、嬉しいも、シェアして、半分ずつにしましょう」とメールを送ると、バッグに入っていたイタリア行のチケットを、縦に引き裂いた
さくらは電話で「もし、一緒に闘うなら、お婿さんにしてあげる」「だから、ウソだけはつきっこなしにしよう」と伝える。

・・・イタリア行きチケットが不要になったのは、もっと以前からだと思うが、五年生存率が30%以下なのを知って、チケットキャンセルチャージなどは比較にならない損得勘定に、胸をときめかせた記念日となったことだろう。

★2012.1.17 ・秘書

東京の病院で検査を終え大阪に戻るたかじんを、さくらが新大阪駅まで迎えにでた。
ワゴン車の後部座席に座ったたかじんが、さくらの手を強く握った。こんなに強く握られたのは初めてだった。
マンションに着くと、たかじんは「さくらちゃんを秘書にする、名刺を作れ」とKマネに指示した。
さくらはイタリア行きのチケットを引き裂いたことをたかじんに言った。たかじんは「お婿さんにしてくれるのは、ほんま?」と驚き、さくらが「はい」と答えると、たかじんは元気が出て来た。

さくらは三百万円を戻そうとするが、たかじんは受け取らずに言った。「そのお金はさくらちゃんに対する期待の表れやと思ってほしい。秘書としていろいろ勉強したり、ケアしてくれたら嬉しい」
さくらはその夜、いつもより長めにマッサージして帰った。

・・・秘書の立場となれば、会社(PIS)との雇用契約となるが、諸手続きはどうなっていたのか。Kマネ談(殉愛の真実)によると、再三、履歴書提出を求めたにもかかわらず、ついに提出することはなかったとのことだ。当然、戸籍関係書類も提出されていないであろう。
殉愛の真実によると、たかじんの「ガン撲滅チーム」のメンバーとなったとのことだ。

★2012.1.18 ・しばらく日本に

さくらは父に電話し、イタリアに戻らない事を告げる。理由は「好きな人が出来たからしばらく日本にいる」

・・・「しばらく日本にいる」とは、たかじん死亡までととれる。伊夫イヴァンへは言い訳しながら関係を続けようとしていたのだろう、父への電話は口実合せも想像出来る。

★2012.1.21 ・初めて泊った。

たかじんはさくらを連れて京都へ行き、友達にさくらを「フィアンセ」だと紹介する。
ラボーという店でたかじんはさくらに「別れよう」と言い出す。
「よう考えたら、自分のエゴで、こんな病気の人間を押し付けられへん」「ぼくは死ぬかもしれへん。途中で捨てるんやったら、今のうちに捨ててほしい
さくらが守るから大丈夫」
さくらはたかじんを抱きしめて、初めて自分からキスをした。彼は何も言わずに泣いていた。
朝の四時に帰宅し、さくらはたかじんのベッドの脇で座ったまま眠り込んでしまい、たかじんのマンションに泊った最初の日になった。

・・・殉愛で描かれているたかじんのここまでの言動が真実なら、もっとオフィシャルな取り巻き達への紹介があっていいはずだ。たかじんにとっての京都は、所詮、プライベートな遊びの場としての側面が強い。その程度の評価だったのだろう。
自分からキスをしマンションに泊った、やはり、過剰なボディタッチが得意な体質である。

★2012.1.22 ・「じんちゃん」と最後まで一緒

【引用 :殉愛 92p】
家に帰ると、手紙を書いた。
「じんちゃんは私の人生のことを心配してくれて、離れようと言ってくれたけど、私はじんちゃんの友達に会って、じんちゃんのことを、もっと好きになったから、支えると決めた。もうイタリアには帰らない。最後まで一緒にいるから、大丈夫。どんな結果になっても一緒にいるよ。・・・」
夕方、再びたかじんのマンションに行き、二人で今後のことをいろいろと話した。
(中略)
さくらはいつものようにマッサージしてたかじんを寝かしつけると、昼に書いた手紙を彼の枕元に置いて帰った。


・・・さくらの人生のことを心配してとあるが、人生までの心配とはどこにも書かれていない。たかじんは長生き出来ないと悟った風であることと、なにより年齢的に、さくらの人生を長く拘束するはずもないと分かっていただろう。今のうちに捨ててくれと言われながら、もっと好きになったと言い喰い付いたのはさくらの方だ。その心は"Money至上主義"から来るものだろう。一二歩先取りして距離を縮めて来る女は「実にやっかい」な場合が多い。

★2012.1.24 ・恋に落ちた

検査した東京の病院から、ガンが悪性だったとの連絡が入る。
たかじんの部屋を訪れたさくらは、たかじんに駆け寄って抱きしめた
この日は初めて会った日から一ヶ月、あっという間に恋に落ちた


・・・さくらの本質を知ってしまった今となっては、たかじんにとって二重の苦悩を抱える日となったと言える。抱きしめたは違うと思う、さくらに憑りつかれてしまったと思えてならない。