★Uの存在

8月26日、読売テレビの山西から電話があった。番組復帰を待ち続けると公表していいかとの確認だった。その後に山西が言った。

【引用: 純愛 315-317P】
「たかじんが番組を終わらせたがっているとUが言っているが本当か」という質問だった。それを聞いたたかじんは激怒して、「そんなことはない!」と否定した。
たかじんは電話を切ったあと、さくらに「Uの奴、余計なこと言いやがって」と怒った。
(中略)
その日(9.30)の夜彼が寝たあと、相原からさくらに電話があった。
「山西さんからUが言うてたこと聞きました。ひどいよなぁ。師匠が番組やめろなんて言うはずないもんなあ」
これからは番組の事は、Uさんじゃなくて、私に直接言ってください
「そうするよ。Uはもともと音楽界の人間で、ぼくらテレビのことはわからん。バラエティのスタッフを馬鹿にしてるようなところがあるんで、前から気分が悪かったんです」

さくらは「胸いっぱい」制作プロデューサーの日置に電話すると、「Uがたかじん番組のプロデューサークラスを集めて、「番組の看板を降ろせ、これはたかじんの意向だ」と言ったとのことだった。翌日、相原からその話を聞いたたかじんは激怒し、Kマネに「今後一切、Uは仕事に関わらせるな」と告げた。

9月18日、東京から札幌に向かう機中で、たかじんはUを辞めさせたかKに訊くがまだだった。たかじんが直接言うと告げると、Kは「ぼくから話す」と言った。


【引用: 純愛 321P】
さくらはKに言った。
「ハニーはKさんに、マネージャーとして期待しているんです。Uさんがいなくなってもやれるという気持ちをわかってください」
「基本的にはぼくが全部やってるんですけどね」
Kは不満そうな顔をした。それを聞いたたかじんは大きな声で言った。
「お前、車の運転以外、何もでけへんやないか」
Kはぶすっとして黙った。

★殉愛によると、山西から電話が入った前の週、Uがたかじんと会っている。たかじんは「胸いっぱいのパネルと、委員会の人形、あれは申し訳ない」「ああやってパネルでスタジオにいるのが悪くてなあ」と言った。自身が出演出来ず、パネルや人形が堂々と鎮座しているのが心苦しかったのだろう。
Uは、復帰の目がないなら、番組は終わらせた方がいい、番組があるとプレッシャーになる、本人は終わらせてほしいと思っているはず、とさくらに話している。さくらはUに対し、「たかじんのテレビに懸ける気持ちをわかっていない」となじる。
このやりとりが殉愛で書かれたということは、たかじんとUの間で、番組終了(又は冠外し)に関する何らかの意思表示が有ったと見て間違いないだろう。死期を悟ったたかじんが12月25日にKマネを呼び、冠番組を終わらせることを指示していることもその証明だ。
番組終了で一番困るのは、たかじんを取り巻くテレビ局や制作会社と、その神輿に乗るさくら達だからだ。事実、死後も冠番組を続行し、甘い蜜を吸ったのは彼らだ。さくらは相原に対し、番組のことは私に言ってくださいと宣告したが、真実はまだまだおぞましい"ハイエナ達の密談"だったことだろう。

(※Uと弟子の打越氏は別人)