★浮気
その後たかじんは三田病院で抗ガン剤治療を受け、手術日が4月9日に決まり大阪で静養していた。
3月24日、さくらは伯父のマンションからたかじんの自宅の向かいのマンションに引っ越した。引っ越しが一段落してたかじんに電話すると「用事があるから後からおいで」と言われた。
【引用: 111P】
エントランスを抜けて、エレベーターの前で待っていると、ドアが開いて中から四十すぎくらいの女性が降りてきた。黄色い派手な服を着たロングヘアの女性だった。エレベーターに乗ろうとすると、その女性がすれ違いざま、さくらに言った。
「あんた、遊ばれているで。私、今、じんちゃんとやってきてん」
女はそのまま去っていった。
あれは誰? もしかしてじんちゃんの彼女? 今のはどういう意味? さくらは動揺しながらもエレベーターのボタンを押した。
さくらが玄関に入ると女性もののハンカチとメモが落ちており、メモには「消えろブス」と書かれていた。更に部屋に入ると「じんちゃん大好き」と書かれたスカーフが見つかり、さくらが誰か来たのかと訊いたが「誰も来てないで」と気のない返事をし、翌日、詰問すると「遊び相手や」と言い訳をする。
このTという中年女性は、殉愛の中で金に賤しい性処理係として数度にわたり登場する。実在するのか不明だが、さくらの引き立て役として位置付けなのは間違いない。
それにしても、金スマで「今、やってきてん」と言った女のレベル設定が、たかじんの好みに似つかわしくなかった。あの世で「いい加減にせんかい!」と指し棒振り回したことであろう。
★もとめられないさくら
さくらの頭の中は「今、やってきてん」の言葉がリフレィンする。確かにこれまで自分とは肉体関係がない、さくらも意外に思っていたとのことだ。
この発言は求められると受け入れる気でいた証明だ。たかじんも結婚相手の認識を持っていたなら、違う女と寝るくらい性欲が有るのなら、既にさくらを抱いたであろう。中高生のラブロマンスではないのだ。
やはりさくらは身の回りのお世話係で雇われたのだろうと推測している。
たかじんを古くから知る知人の中には、さくらはたかじんの好みの女じゃないとコメントしている人もいる。たかじんも生前のテレビ番組で「俺はNo1が好きなんだ」と発言している。それはごもっともだ、新地の店でも美人が付かないとママを呼んで叱りつける逸話を持つ男だから。
自分から見てもさくらは・・・いや、やめておこう、画像しか見ていない。伝聞によると「人たらし」とのことだから、男から見て何らかの魅力があるのだろう。取材旅行を含めて300時間もの時を共にしたという、百田大先生に感想をうかがいたいものだ。
★引越
さくらは勝手に越してきた、或いは、たかじんはお世話係用にマンションの空いてる部屋を用意したとの説もあるが、それは差し置こう。
本当にフィアンセで「浮気」の言葉を使うなら、たかじんのマンションで暮らしてもいい筈だ。現に1月25日に、たかじんはマンションの一部屋を与え、クロ―セットの引き出しも整理して使えるようにし、マンションの鍵を渡している。そうでないなら、殉愛でいうところの借りていた伯父のマンションは二丁角しか離れていないのだから、そこからでも通える距離だ。何故たかじんの自宅の向かいに越して来たのだろうか。さくらには押しかけなければならない策略と、別なマンションに住んでいる証しが必要だったと言っていいだろう。
その後たかじんは三田病院で抗ガン剤治療を受け、手術日が4月9日に決まり大阪で静養していた。
3月24日、さくらは伯父のマンションからたかじんの自宅の向かいのマンションに引っ越した。引っ越しが一段落してたかじんに電話すると「用事があるから後からおいで」と言われた。
【引用: 111P】
エントランスを抜けて、エレベーターの前で待っていると、ドアが開いて中から四十すぎくらいの女性が降りてきた。黄色い派手な服を着たロングヘアの女性だった。エレベーターに乗ろうとすると、その女性がすれ違いざま、さくらに言った。
「あんた、遊ばれているで。私、今、じんちゃんとやってきてん」
女はそのまま去っていった。
あれは誰? もしかしてじんちゃんの彼女? 今のはどういう意味? さくらは動揺しながらもエレベーターのボタンを押した。
さくらが玄関に入ると女性もののハンカチとメモが落ちており、メモには「消えろブス」と書かれていた。更に部屋に入ると「じんちゃん大好き」と書かれたスカーフが見つかり、さくらが誰か来たのかと訊いたが「誰も来てないで」と気のない返事をし、翌日、詰問すると「遊び相手や」と言い訳をする。
このTという中年女性は、殉愛の中で金に賤しい性処理係として数度にわたり登場する。実在するのか不明だが、さくらの引き立て役として位置付けなのは間違いない。
それにしても、金スマで「今、やってきてん」と言った女のレベル設定が、たかじんの好みに似つかわしくなかった。あの世で「いい加減にせんかい!」と指し棒振り回したことであろう。
★もとめられないさくら
さくらの頭の中は「今、やってきてん」の言葉がリフレィンする。確かにこれまで自分とは肉体関係がない、さくらも意外に思っていたとのことだ。
この発言は求められると受け入れる気でいた証明だ。たかじんも結婚相手の認識を持っていたなら、違う女と寝るくらい性欲が有るのなら、既にさくらを抱いたであろう。中高生のラブロマンスではないのだ。
やはりさくらは身の回りのお世話係で雇われたのだろうと推測している。
たかじんを古くから知る知人の中には、さくらはたかじんの好みの女じゃないとコメントしている人もいる。たかじんも生前のテレビ番組で「俺はNo1が好きなんだ」と発言している。それはごもっともだ、新地の店でも美人が付かないとママを呼んで叱りつける逸話を持つ男だから。
自分から見てもさくらは・・・いや、やめておこう、画像しか見ていない。伝聞によると「人たらし」とのことだから、男から見て何らかの魅力があるのだろう。取材旅行を含めて300時間もの時を共にしたという、百田大先生に感想をうかがいたいものだ。
★引越
さくらは勝手に越してきた、或いは、たかじんはお世話係用にマンションの空いてる部屋を用意したとの説もあるが、それは差し置こう。
本当にフィアンセで「浮気」の言葉を使うなら、たかじんのマンションで暮らしてもいい筈だ。現に1月25日に、たかじんはマンションの一部屋を与え、クロ―セットの引き出しも整理して使えるようにし、マンションの鍵を渡している。そうでないなら、殉愛でいうところの借りていた伯父のマンションは二丁角しか離れていないのだから、そこからでも通える距離だ。何故たかじんの自宅の向かいに越して来たのだろうか。さくらには押しかけなければならない策略と、別なマンションに住んでいる証しが必要だったと言っていいだろう。