エゴイズム

たかじん本 付箋だらけの殉愛
たかじんの最期を書いたノンフィクション小説「殉愛」の信憑性は地に堕ちた。
次々と明かされるさくら未亡人・驚愕の正体とは・・・。

キーワードで見る空間模様 二人でシェアしたかった

たかじんが逝去する3ヶ月前から、さくらはたかじんの妻であったが、「殉愛」でいうところの誰も知らなかった741日間において、たかじんとさくらのポジショニングはどうだったのだろうか。

★2012.6.9 女の魅力

手術から二ヶ月後、たかじんは退院し六本木のマンションに戻る。


【引用 :殉愛165P】
実はこの時点でも、さくらとたかじんは一度も肉体関係がない。出会ってからしばらくの間、たかじんは、さくらと結ばれたいという意味のことを何度か日記に書いているが、そりが果たせないうちに病気がわかった。その後はさくらを大切にするがゆえに手を出せないという心境が綴られている。手術してからは、体力的な問題でそういう行為はできなかった。
(中略)
心から愛する女性には手を出せなくても、他の女とは平気でそういう関係を持つことができた。私は同じ男として、この心理はわからなくもないが、さくらには理解できなかったようだ。
(中略)・・・自分には女としての魅力が乏しいのではないかという引け目を感じていた。


・・・「大切にするがゆえに」思い起こしてみると、自分も初恋の頃はそういう感覚があったなあ、まだまだ世の貞操観念が残っていた時代のことだが。
さくらは金銭で肉体関係を結ぶ過去を持つ女。たかじんの日記が本当だとしたら、さくらはどれほどの演技を重ねたのかと考えてしまう。


★2012.6月

さくらは朝昼晩とすべての食事の栄養を考えつつ、たかじんの好きなものを工夫して食べさせた。
掃除や洗濯や買い物はもちろん、風呂に入れて、体を洗い、パジャマを着せるところまですべてだ。
便を見るのもさくらの重要な仕事の一つだった。いい便が出たときは、抱きしめて背中をポンポンと叩く と、子供みたいに喜んだ。


二人は何かいいことがあるたびに、ハグしたり、キスしたり、ハイタッチをするようになった。一日に何度もした。人がそばにいても平気だった

・・・全編を通して言えることだが、たかじんの幼児性を際立たせる表現が一つの柱となっているが、たかじんが番組内で演じた実家との断絶を逆手にとり、実母の母性愛に欠乏した彼を訴えたい意図に思える。
外国人と二度の結婚歴があるためか、さくらはボディタッチが頻繁だと伝えられている。人前でも平気なのは、さくせにとってスペシャルなことではない。

★2012.7.7 初めてのプレゼント

【引用 :殉愛180P】
大丸に行ったとき、テイフアニーで小さなダイヤの付いたネックレスを買ってくれた。彼からもらった初めてのプレゼントだった。
三越のポッテガ・ヴェネタでは、お揃いのパスポートケースを買った。
「これを持って、いつかハワイに行こう
「そのためにも、もっと元気にならないとね」
「頑張んでぇ!」


★2012.7.11 エンゲージ・コミットメント

さくらが買い物から戻ると、たかじんが看病日記を開き、泣いていた。
「さくらがおったからや」
「それにしてもや、さくらはたかじんオタクやなあ。一日中見てるやないか」と言った。

【引用 :殉愛181P】
「前に、退院したら結婚しようと言ったけど、もう少し待ってほしい。ぼくの復帰を祈ってくれる人がたくさんいるのに、それが果たせないまま、自分だけが幸せになることはできん」
「いいよ。私もじんちゃんに復帰してもらいたい」
「ごめんな、さくら。わがままを言うて。でも、やしきたかじんが復帰したら、必ず一緒になろう。約束する。ほんで、お父さんにも胸張って挨拶できるようにする」
「じゃあ、それまではエンゲージ・コミットメントしましょう
「うん!」
二人は「将来、結婚に向けて元気になる」「それまで一緒に頑張る」「愛する人はお互いだけ」を約束した。最後に、「もし、二人の間にケンカがあっても、その日のうちに解決する」ことも決めた。


・・・エンゲージ・コミットメントの言葉は初めて知ったので意味を調べてみたが、解釈が曖昧なようで、使う人によって恋愛の始まりから婚約まで幅が広そうだ。引用文の流れからこの時は、さくらは結婚と同様の生活を意識して使ったと思う。後日出てくる「二人で貯めたお金」発言の根拠は、このコミットメントを指していると思う。
たかじんはもう少し待ってほしい理由として、ファンに申し訳ないと言っているが、この段階でさくらに対し何らかの理由で懐疑的になっていたと思う。

★2012.7月 身の回りの世話

さくらは風呂だけではなく、歯磨きを除く身の回りのすべての世話をした。たかじんが自分でおしっこができるようになっても、「(尿瓶で)取って!」と言って甘えた。


・・・この文を真に受けると、下の世話まで含め、既に完全看護状態じゃないか。
風呂で体を洗ってあげたとの表現が数ヶ所出てくる。下衆の勘ぐりになるが、さくらは衣服を着けてそうしたのだろうか。もし衣服を外していながらたかじんが性的に興味を示さなかったとしたら、さくらの懸念通り「女としての魅力」に乏しかったのかも知れない。

★2012.7.24 浮気

前日、久し振りに大阪へ戻った。
買い物に出掛けるさくらに、たかじんは「ゆっくり買い物しておいで」といい、さくらは女に会うつもりだなと直感した。
買い物後、時間を潰していたさくらがメールを入れた。「今から帰ってもいい?」「さくら、早く帰って来て」と返事が来たが、戻ると たかじんは上機嫌だった。さくらはハグはしたが、キスはしなかった。

【引用 :殉愛186P】
夜、「何か心当たりがあるんじゃないの?」とさくらが訊いた。
「ちゃうねん、電話したらすぐに来よるねん」「あいつにはずっと定期的におこずかいをやってたんや。それが急になしになったから、金に困ったらしいんや。そやから、金やるなら来いと言うたんや。金払ただけで、何もしてへん
「だからって、二人の家に入れていいの?」
「ごめん、けど、何もしてへんねんから、許してや」
さくらはため息をついた。
(中略)
二週間ほど前にエンゲージ・コミットメントしたばかりだ。簡単にその約束を破るなんて許せない。彼の言うように
、何もなかったのかもしれない。しかし二人の神聖な家に、さくらから見れば不潔な女性を入れたことは耐えられなかった。
(中略)
さくらにはそんなふうにタダをこねるたかじんが幼い子供に見えてきた。この人は理屈が通らない子供と一緒なのだ。もうこれ以上怒るのやめよう


・・・エンゲージ・コミットメントした途端、「二人の神聖な家」「入れていいの」と表現が変わっている。結婚したのでもなく、さくらが幾何かの資金を出したでもないマンションをこう言われると、たかじんの性格からすると「面倒な女」と写ったことだと思う。
不潔な女とは誰を指しての言葉なのか? 妻の座に在りながら愛人生活をしていた自分はどう表現される考えていたのか? 説明は不要だと思う。

★2012.9月 プレゼント

プラダで素敵なサングラスを見つけたさくらはたかじんにプレゼントした。天国に旅立つときにかけていたのはこのサングラスだ。

・・・さくらがプレゼントしたエピソードが数ヶ所あるが、さくらのお金なのか"二人のお金"なのか。

★2012.10.5 全部あげるよ

フエースブック事件とは「変革の誕生日」と題されたたかじんの女性関係が書かれた記事がアップされた騒動のことだ。この中でさくらだけが好意的に書かれている。

さくらは犯人捜しをするつもりはない、大事なのは、たかじんを信じてついていくことだ。自分たちのことをよく思わない人物がいたとしても、二人の信頼関係が崩れると、彼らの思う壺だ。
たかじんの誕生日のこの日、さくらがプレゼントを渡すとたかじんが言った。「もうひとつねだってもいいかな」
何が欲しいの?とさくらが訊く。
さくらの人生と時間が欲しい
「いいよ。じんちゃんに全部あげるよ

(※/詳細はこちら・フェースブック事件・変革の誕生日)

・・・彼らとはKマネ達を意味していると思うが、訴訟魔のさくらが犯人捜しをしないのは不自然だ。

★2012.11.20 ハワイ生活

二人はハワイに着いた。


【引用 :殉愛 208P】
「さくら、こっちにおいで」
「そばに行くと、たかじんは彼女を抱きしめた。
「ハワイまで連れてきてくれてありがとう」
「連れてきてくれたのは、じんちゃんだよ」
「ちゃう!」と彼は言った。「さくらが連れてきてくれたんや
その夜、彼はベットで、さくらはベッドのそばのソファで寝た
さくらは長い看病生活で、いつのまにかソファーで寝る癖がついていた。いつでもすぐに起きられるようにするためだ。

・・・たかじんはハワイまで来れる体調に戻っていたのだから、寝ずの看病は不要。さくらは自分に与えられたベッドで寝るといいだけだ。殉愛にはこのように細かな点で不自然な描写が多く、疑念が積重ねられていく。

★2012.12.12 手を切った

【引用 :殉愛 208P】
さくらが左手指の骨が見えるくらいの怪我をした
「今まで自分は何も考えないで、ただ、さくらに世話をしてもらってきただけやった。今夜、さくらが怪我をして、その気持ちがわかった。さくらがどれだけ不安やったか、それから、どれだけ優しかったか・・・。情けないけど、初めてわかった。これから、もっともっと大事にする」とさくらに言った。
(※詳細はこちら・さくらの怪我)

・・・この直後に撮られた写真では大怪我の痕跡は見当たらないと言われている。梅干し大の指輪を買う口実の為のエピソードなのだろうか。

★2012.12.18 何度目かのプロポーズ

たかじんが指輪を見に行こうと言った。
「さくらが手を切ってから、前以上に結婚について考えるようになったんや。婚約指輪を贈りたい」
テイフアニーのお店で「梅干くらい大きなダイヤが付いたのをくれ」と冗談を言った。結果的に数百万円の指輪をキャッシュで買った。
クリスマスの日、たかじんは指輪を差し出した。
「ぼくのためにありがとう。さくらに出会えて本当に幸せやった。こんなアカンタレやけど、これからも一緒にいてほしい。これからは元気になって幸せにするから、ずっとそばにいて笑っていてほしい」
言いながら、たかじんは途中から泣き出した。もう何度目かのプロポーズだったが、今までで一番感激した。しかし彼と結婚するのは、本当に復帰したときと決めていた。

・・・相手が拒んでもいないのに、プロポーズを何度もするものなのだろうか。高価なプレゼントを買わせた言い訳にしか聞こえてこないのだが。

★2012.12.31 ツーショット写真

ツーショットの写真を梅田に撮ってもらった。

・・・写真嫌いで通っていたたかじんとしては、さくらとのツーショット写真が多く残されている。この日の写真も、婚約指輪購入と関係があるのだろうか。

★2013.1.1 ハワイで結婚式

復帰したらハワイで結婚式を挙げよう」
「いつ?」
夏くらいかな。親しい仲間だけを集めて祝ってもらう」
結婚式も素敵だったが、それよりもたかじんが元気になって復帰する姿を想像しただけで、さくらは胸がいっぱいになった。

・・・婚約指輪購入からこの日まで、結婚に関するエピソードが目立つ。さくらがハワイで「このまま籍を入れなければ訴える、とたかじんに迫った」とのタレコミ(真偽不明)を掲示板で見たが、事実ならこの時期だったのだろうと思う。

★2013.2.21 女の電話

復帰前検診が終わった後大阪に戻った。たかじんは相原を伴い久しぶりに新地へ飲みに出掛けるが、忘れた携帯に何度も電話が入り、さくらが出ると、女の声でいきなり「明日、パンツ穿いていかへんから楽しみにしといてや」と言って切れた。
たかじんが戻るとさくらの機嫌が悪く、理由を聞いたたかじんは、連れ帰った相原が代わりに説明するよう求めた。
「前にも二度、家に女性を入れた。今回が三度目。・・・もう無理
翌日の朝、たかじんは「金を渡すだけや」と言い訳をする。


【引用 :殉愛 230P】
「もう、ハワイに行くのはやめる」とさくらが言った。
「さくらが行かへんやったら、ぼくもいかへん」
「勝手にしたらいい」
「ハニー(たかじん)はハワイに行ったらいいじゃない」
「さくらが行かんやったら、行かれへん」
「どうしてそんな勝手を言うの」
「ぼくのエゴイズムという歌、さくらも好きやんか。ほな、僕の言うてること、わかるやろ」
エゴイズムという歌は、タイトル通り男のエゴを歌った曲だ。さくらはこんな勝手はないと思った。
「歌が好きなだけで、歌詞の内容が正しいとは全然思っていない」
「そんな恐い顔せんといてえな、。さくらはいつもにこにこして笑ってたらええねん
・・・一時間くらいのやりとりの末に、一緒にハワイに行くことに同意させられた。
たかじんを風呂にいれながら、自分が情けなくて涙がぽろぽろ溢れた。
実は、この時点でも、まださくらとたかじんは一度も肉体関係がない
(中略)
自分には女としての魅力がないのではないかということ。もうひとつは自分がかねて「結婚する人以外とはセックスをしたくない」と言っていたからではないかということ、つまり、彼がセックスをしないのは、自分と結婚する気がないということではないのか。
もしかしたら、彼は自分を都合のいい家政婦のような存在と思っているのかもしれない。だから、あとあとややこしいことを言われないように、セックスもしないのかも・・・。
さくらは女性と会わないようにマンションを出た。「わたしはいつか彼に捨てられるかもしれない」と思った。


たかじんはマンション戻ったさくらに、「何もなかった、金だけ渡した」と言ったが、さくらはスーツケースに服を詰め出し、「自分のマンションに帰るの」と言った。

この後、さくらはたかじんの二つの携帯と、記録用の携帯に登録されている女の番号とアドレスを削除した。さくらが「早よ、出さんかい」と怒鳴ったのはこの時のことだ。

(※詳細はこちらで・早よ、出さんかい!)

・・・エンゲージ・コミットメントした日、たかじんはくらに対して懐疑を持ち出したのではないか、と書いたが、この頃は不信感に変わっていたと思う。突然の帰阪で女と会い、「男のエゴ」と言い放ち、さくらには「にこにこ笑ってるだけでいい」と突き放している。たかじん遺産相続に照準を定めたさくらは、ハワイ同行を承諾するしか術がなく、自分のマンションに帰るとのフェイントも空しい。
たかじんも「都合よく使える女」としてキープしておこうとの魂胆は間違いなく有っただろう。なぜならこの年の8月までは、前妻に遺産を相続させるので看取ってほしいと連絡をしていたのだ。さくらが時々思う「いつか捨てられる」は事実で、様々な機会に婚約・結婚の既成事実を追い求めていたと思う

(※前妻についての詳細はこちらで・直葬の日)

★2013.2.24 復帰前のハワイ

二人は、再度ハワイへ向かった。
たかじんは魅力的な人だし、自分は彼に惹かれている。彼は自分を可愛がってくれているし、大事にしてくれているが、本当に愛してくれているのだろうか

・・・惹かれているのはさくらの方である。

★2013.3.8 墓地

二人はダイヤモンドヘッドが見える墓地を買う。
ぼくがここに入ったら、いつかさくらもここに来てほしい。ずっと待ってるから」さくら黙ってうなずいた。
「せやけど、それまでは二人で生きていこう」さくらとたかじんは墓地でキスをした。

・・・墓地の購入が事実なのか不明だが、たかじん親族に分骨しない理由に使われているかと思う。

★2013.3.13 帰国

日本へ戻るためハワイを飛び立った。
「楽しかったね、ハニー」
「今回のハワイは一生忘れられへん。復帰出来るくらい元気になれたし、全部ハニーのおかげや

★2013.3.18 純愛

読売テレビ越智会長が食事会を開いてくれた。
たかじんはさくらを「ぼくの一番大切な女性です」と、さくらを紹介した。
「たかじんさんとさくらさんは、純愛なんだね」と越智が言った。
(※食事会詳細はこちらで・読売テレビ会長と食事会)

・・・さくらを一番大事なのはテレビ業界の人間。

★2013.3.20 収録前日

復帰一本目の録画を控えたこの日まで、たかじんはさくらに「復帰のスタジオに来てほしい」と言わない。この日の為にともに頑張って来たはずなのに。さくらは寂しさを覚えた

★2013.3.21 二人でシェア

さくらのスタジオ見学を、たかじんはKマネに連絡させると言ったが、Kマネから「今日は来んといてください」とメールが入る。
復帰の日のスタジオ収録に立ち会えないとわかったさくらは泣いた。なぜ、フィアンセである自分をオフィシャルな場に連れていくことを拒否するのか。
彼にとって、私は公式の場で紹介できる女ではないのだろうか。所詮は家政婦のようなものと思っているのではないか。復帰するまでの都合のいい女なのかもしれない。「私はいつか捨てられるのかもしれない・・・」と思った。
たかじんが「Kがスタジオで泣いとったらしい」と言うと、さくらは「さくらもその場にいて、泣きたかったよ」と言うと、たかじんはこれから元気になったらいつでも来れると言った。
「そうじゃない!、今日という日を二人でシェアしたかった。前に何でもシェアするって約束したじゃない」

・・・殉愛の真実によると、たかじんはさくらをこう言い表している、「人前に出せん女」。たかじんが全身全霊で取り組む復活の場に、出せるワケがないのだ。仕事人として至極真っ当な判断と言える。
さくらには録画を見ようと言うが、シェアしたかったと責める。

(※詳細はこちらで・テレビ復帰の日)

2013.3.22 終わりにしよう

この日もスタジオ収録に呼ばれず、さくらは何度も泣いた。
浮気がわかったときも悲しかったが、比べものにならなかった。やしきたかじんは冷たい人だと思った。
私を愛してはいないだけだ。完全に体調が回復したら、間違いなく捨てられる・・・。
「都合よく使われるのは、終わりにしよう」

・・・これまでの人生で男を都合よく使ってきたのがさくらと言えよう。別れには訴訟で金銭を得る成功体験を数度持つさくらが言う終わりにしようは、退却ではない。狙った獲物は外さない獰猛な野生動物の攻撃性に似て心境を持った時だったと思う。

★2013.3.23 心の変化

さくらはいつもと違う形だけのハグとキスをした。彼とはいつか別れなければならないかもしれないと思っていた。たかじんはさくらの心の変化に気付いていないようだった。

収録を終えたたかじんは、橋下大阪市長と相原を連れてきた。
たかじんはさくらを「これ、ぼくのフィアンセ、さくらや」と紹介した。相原がたかじんとさくらの式を勧めると、「さくらのお父さんにまだ挨拶していない。お嬢さんをくださいってきちんとお願いしてからもらう。そのためにも仕事をきちんとやる」と言った。

・・・さくらの心境の変化と時を同じくして、たかじんも変化したと思われる一言を残す。さくらを橋下市長に紹介する際に、「これ」との表現を使っている。関西語はよく理解していないが、フィアンセをこれと表現するのは、一種の蔑視だと自分は思っている。

早よ、出さんかい!

★電話

2013年2月18日、ハワイから一時帰国していたたかじんは、東京三田病院でPET検査を受けた。経過は良好で3月のテレビ番組復帰に支障がないことが判明し、翌日大阪へ戻る。

2月21日、相原と新地へ飲みに行った際に、自宅に忘れたたかじんの携帯に電話が入る。何度も着信したためさくらが出ると、女は一気に話した。
「家からやから言うだけ言うね、明日、パンツ穿いていかへんから楽しみにしといてや」そう言うと切れた。
さくらは怒りが込み上げ、私が馬鹿にされているのかと思った。
23時頃相原とマンションに戻ったたかじんは、さくらが電話の件を話し怒ると、後の対応を相原に任せて寝室に引っ込んだ。相原は一時間も土下座しながら許しを請い帰った。
翌朝、たかじんはその女の母がガンなので人助けでお金を渡すだけで、今回が最後だと説明した。
さくらは腹が立ってハワイでプレゼントされた指輪を引き抜こうとすると、たかじんは「はずさんといて!」 と言いながらさくらにしがみついたが、さくらはハワイに戻らないと言い出す。

純愛 231P】
「ハニーはハワイに行ったらいいじゅない」
「さくらが行かへんのやったら、行かれへん」
「どうして、そんな勝手を言うの」
「ぼくの"エゴイズム"という歌、さくらも好きやんか。ほな、僕の言うてることわかるやろ」
エゴイズムという歌は、タイトル通り男のエゴを歌った曲だ。さくらは、こんな勝手な言い分はないと思った。
「歌が好きなだけで、歌詞の内容が正しいとは全然思っていない」
「そんな怖い顔せんといてえな。さくらはいつもニコニコして笑ってたらええねん」
(中略)
実はこの時点でも、まださくらとたかじんは一度も肉体関係がない。
これは私の想像だが、たかじんは体力に自信がなかったのかもしれない。実際、パソコンに残されたいた日記に、「さくらと結ばれたいが自信がない」という意味の事が書いてある。また日記を見る限り、病気が発覚する半年前くらいから、女性を家に呼んでも実際のセックスはしていない。露骨な表現になるが、別な形で処理してもらっている。(中略)
たかじんは本当に愛しているさくらに、それはさせたくないと思っていたようだ。


しかし、さくらは自分に魅力がないから、結婚する気がないから、都合のいい家政婦のような存在と思っているかもしれない。あとでややこしいことを言われないように、セックスもしないのかも・・・・・。さくらは女と会わないようにマンションを出る。

【引用: 純愛 231P】
お前の背中 抱きしめている同じ腕で
ほかの誰かのことを 抱く日もあるだろう
あの空のように 気持ちは迷い 流れてゆく
幸せにするなんて 約束できない
いつだって男はきまぐれで
新しい花に惹かれるけど
心ごと 疲れ果てた夜は ここに戻りたい
おまえのそばが Woo いちばんあたたかいから

(中略)

いつだって女は意地悪で
気付かないふりをしてくれるよ
だからそう 疲れ果てた夜はここに戻りたい
おまえのそばが Woo いちばんあたたかいから

(やしきたかじん「エゴイズム」より)

さくらが部屋に戻ると女は帰った後で、たかじんは「金だけわたした」と言ったが、さくらは荷物をまとめて自分のマンションに帰ると言い出した。たかじんはさくらの足にすがり付き「いま、僕は"泣いてもいいか"の歌と同じことしてるんや」と言った。
さくらは呆れたが、たかじんのプライベート用と仕事用の携帯に残っている、その女の番号とアドレスを消し、もう一つ記録用に持っている携帯を出すように求めた。「早よ、出さんかい!!」

★性的不能

たかじんにとってさくらの立ち位置はどうだったのか? これはほぼ全編に渡る疑問であり、読み手の感情が萎える素因であるが、そこは置いておこう。
強い不快感はたかじんの男としての矜持が、さくらと作者によって著しく損なわれている事だ。ノンフィクション小説"純愛"の主軸となる代名詞は、「ノン・セックスだった献身妻」なのだが、そこのオチがたかじんの性的不能では、まるで成人向けの4コマ漫画でも見ているような気分になる。
百田尚樹がベストセラー作家の名を汚してまでも、さくらに同情的な表現を用いたかった根拠は奈辺にあるのか。

早よ、出さんかい。これは関西ではよく使うセリフなのだろうか? 自分の地方では特に女性は使わない。もし自分が使われたならば、百年の恋も冷め即座に別れるだろう。

★エゴイズム

一方、たかじんのヒット曲を背景に使った描写は、この殉愛の中では異彩を放つページだと思う。しかし、もう一つの騒動が起きた。
百田尚樹が作中で引用したのは、たかじんの曲「エゴイズム」だが、青太字で著した部分がカットされている。このことだけが原因ではないが、この曲を作詞した及川眠子氏がtwitterで百田尚樹に異論を呈した。
及川氏はたかじんの曲を70曲以上作詞し、たかじんのことを知り尽くしている人だ。
百田尚樹は彼女の作品を引用しながら作者を知らなかっただけでなく、作者が意図する言葉の意味を理解していなかったようだ。
そこを指摘されると、「売名行為する作詞家というのも実に厄介や」と批判する暴挙に出、あらぬ敵を誘引する結果となった。 
(詳細は打算と逆襲カテゴリーにて)

【及川眠子twitterプロフから】
作詞家、プロデューサー。 代表曲は、Wink「愛が止まらない」「淋しい熱帯魚」、やしきたかじん「東京」、新世紀エヴァンゲリオン主題歌「残酷な天使のテーゼ」など1,000曲以上。




▼この件については下記に詳しく掲載されている
百田尚樹さん「売名行為する作詞家というのも実に厄介や」 エヴァ作詞家を批判し波紋が広がる(ネトラボ)


★近況メール

無期限療養中の歌手でタレントのやしきたかじん(63)が31日、自身がレギュラー出演していた関西テレビのバラエティー番組「たかじんの胸いっぱい 怒濤の生放送2時間SP」にメールを送り、近況を報告した。

 たかじんは「猛暑の大阪を避けて別のところに来ていますが、こちらもかなり暑いです」と記し、避暑地で静養している様子。「ここでは『胸いっぱい』が放送されていませんので、DVDを送ってもらい毎週チェックしています」と復帰に向けて過ごしていることも明かした。さらに、「体調は焦らずゆっくり整えています。番組も夏の特番の季節ですね。楽しみにしています」と、つづった。

 出演者の大平サブローは「どこにいるんやろ。北の方かな」などと話し、たかじんの復帰を待ち望んでいた。http://www.daily.co.jp/newsflash/gossip/2013/08/31/0006297710.shtml

▼やしきたかじん「エゴイズム」


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