フライデーされたたかじんは札幌で過ごすことを決断する。松山千春との接点で借りたマンションが有るのと、札幌では顔をあまり知られていないからだった。
札幌では食欲も増してきており、自分の口で食べたいと言い出した。実は経腸栄養摂取は続いていた。さくらが東京の三田病院へ行ってチューブを抜いてもらうことを提案したが、たかじんは「その為だけに行くのはイヤや」と言った。
【引用: 純愛 172P】
そこでさくらは久保田医師に電話で相談した。久保田は上手にやれば、自分で抜くことも可能だと言い、方法を教えてくれた。
「じんちゃん、さくらにも抜けるらしいよ」
「なんでやねん、アホなこと言うな」
「どうして、こんなチューブ抜くの簡単だよ」
そう言いながら、さくらはこっそりと久保田に聞いた方法でチューブを抜き取りにかかった。たかじんはそれに気付かなかった。
「あのなあ、腸にささってんねんで。90センチも。そんなもん抜いたら痛いやんか。それに、素人が下手にやったら、穴が開くやないか」
「腸は痛みを感じないってそれに穴は勝手に閉じるらしいよ」
「お腹からチューブが出てるんやで、それ、どないすんねん」
「お腹も肉が盛り上がって、自然に閉じるって」
「そんな、アホな」
「はい、抜けたよ」
さくらはそう言って、お腹から引き抜いたチューブを見せた。彼は悲鳴を上げた。
「いつ抜いたんや」
「今、喋りながら抜いた。ちゃんと90センチ全部、抜けたよ」
彼はベッドに倒れて、「さくらには勝てんわあ」と言った。さくらはその後、抜糸もして傷口を消毒した。
★医療行為
経腸チューブ取り外しは医療行為である。ただし書きで指導を受けた家族が行うことは可とされている。しかし本人の許諾無く行うのは如何なものか、さくらは電話で要領を聞いただけである。自分なら激怒したと思う。
さくらは拙い看護師には厳しい言い方をしたと記されている、その本人がたかじんに対して素人処置を選択したのは何故だろうか。 札幌は病院が多い都市である、おそらく久保田医師も東京へ来れないなら滞在先の札幌の病院で処置をと話したことだろう。
本人は美談だと思っているかもしれないが、ひょっとして、さくらはたかじんの悪化を狙っていたのかと考えてしまう。
その後行わなければならない抜糸は、医師が施術を義務付けられている医療行為だ。
技術的には簡単なので誰にでも抜糸はできると思いますが、抜糸可能かどうか、感染症の合併がないかなど医学的な判断をしながら抜糸を行います。(yahoo知恵袋)