【引用:殉愛 38P】
「実は二番目の嫁と結婚する時に、同時に離婚届も渡していた。離婚したかったら、いつでもせいやと。それであるとき、嫁が買い物したいからとお金をくれと。五百万渡すと、足らんというから、また五百万。けど、まだ足らんというから、結局二千万円渡した。それからしばらくして、嫁がマンション買いよった。あれ、と思ったら、離婚届出されとった」
(中略)
「で、その嫁が去年、ヨリを戻したいと言うてきた」
「どうしたんですか」
「別れて十年近く経つのに、復縁なんてありえへん。はっきりその気はないと言うた」

【引用:殉愛 94P】
彼がふと呟くように言った。
「おかんに頭を撫でてもらった記憶もない。今まで、こんなに体の心配をしてくれた女は一人もおらんかった」

【引用:殉愛 94P】
「ご家族に知らせなくていいの」
さくらが訊くと、たかじんは「いらん」と吐き捨てるように言った。
「どうせ、報道でわかる。それにKマネが伝えよる」
さくらは以前、「両親との縁は切れているのと同じや」という彼の言葉を聞いていたから、何も言えなかった。
「お嬢さんは?」
最初の妻との間に生まれた娘は、もうすぐ四十歳になろうとしていた。
「娘にだけは伝えようと思て、この前、大事な話しがあるから来てくれと電話したら、忙しいから行かれんと言いよった。薄情な娘や」
(中略)・・・もしたかじんがガンであると告げていたら、状況は変わっていたかも知れない。少なくとも木で鼻をくくつたような返事はしなかっただろう。

【引用:殉愛 102-103P】
その日、たかじんの携帯に娘から「なんや食道ガンかいな。自業自得やな」という内容のメールがあった。それを見た彼は激怒して、「親子の縁を切る!」と言った。
(中略)・・・・・そんな冗談が通じるのは、互いにわかり合える信頼関係で結ばれた親子でなければならない。
(中略)娘にしてみれば、かって母を捨てた父に、自分もまた捨てられたとしも不思議はない。

ただ、父として金銭的には娘に不自由はさせなかった。二十才前後の彼女がたかじんのマンションに来て、金の無心をしているところを見た者もいる。(中略)娘が三十歳を越えてからも、生活を援助するために、P.I.Sの名目上の役員にして給料を払い続けている。
ただ、二人の関係が傍目には冷たく感じられたと証言する者は多い。
(中略)
親友の松本哲郎は「娘の頭の中は金しかない! 縁を切りたい」とたかじんがこぼしているのを聞いている。
(中略)
「じんちゃん、冷静になって、たった一人の娘さんじゃないの」
さくらがなだめても、たかじんの怒りは解けなかった。

【引用:殉愛 103P】
「たかじんのNOマネー」プロデューサー徳岡敦郎は「本当か嘘かはわかりませんが」と前置きして、「たかじんさんが、この前、娘に五千万円やって縁を切った、と言っていたのを聞いたことがあります」と言った。 (NOマネープロデューサー・徳岡敦朗)

【引用:殉愛 166P】
しかし楽しいムードは、たんじんの携帯に届いた一本のメールで壊れた。娘からだった。それは退院を祝うものではなく、「なんかわけのわからん韓国女に世話してもらっているらしいな。いざとなったら、私も出るとこ出るよ」という内容だった。
(中略)・・・「たかじんの未亡人は韓国人」という記事が出たが、さくらは日本人。
(中略)・・・「命懸けで親の面倒を見てくれる人を悪く言うなんて考えられん。感謝の気持ちが有ったら、あんなメールを送らん」
次の日、また娘からメールがあった。「女のことを聞いたのはKからじゃないよ。私にもいろいろルートはある」どうやらKから連絡が行ったようだった。
(中略)・・・たかじんはあらためて「許さん」と言った。
このメールで父娘関係は修復不可能なまでになった。たかじんは死ぬ間際まで娘に対する怒りを解かなかったし、娘もまた一度も見舞いに訪れる事はなかった。
(中略)
ただ気がかりだったのは、いつか大きな問題に発展しないかということだった。

娘が送ったメール
「今お父さんを見舞えるのは限られた数名だけらしいね。しかもお世話してくれてるのが身元の怪しい韓国人の女。
話を聞けば聞くほど心配になります。占い師じゃないけど 邪魔臭いことにならないように用心してください。
万が一の時は私も爆発する覚悟です。」

【引用: 殉愛12P】
未亡人が挨拶している間、一人の中年女性が「早よ、帰やめろ」とか「帰れ」などと大きな声で野次を飛ばしていたのだ。私の周囲にいた人たちが小さな声で、「たかじんの娘さんらしいで」と言う声が聞こえた。なるほど、嫁と娘の間でいざこざがあったのだなと思った。

偲ぶ会で司会を務めた辛防治朗氏
「司会をしていたが、特に奇声は聞こえなかった」
近くにいた、たかじん知人
「さくらが挨拶中に、耳が遠い母親があの女は誰かと、少し大きい声で尋ねていた」

【引用: 殉愛393P】
炉の前で、前妻が「見たことある? 人体模型みたいで、結構グロいよ」とさくらに耳打ちした。

前妻は、絶対に言っていないとたかじん親族に証言している。(女性自身)

【引用: 殉愛 392P】
弁護士が顔を見せた途端Hが「遺言書に何て書いてありました?」と訊いた。弁護士は「それはここでは言えません」と答えた。するとHは「あなたはさくらさんに雇われた弁護士ですか?彼女の味方ですか」と問い詰めるように言った。弁護士は取り合わなかった。

【引用: 殉愛395P】
娘は弁護士に遺言書の件を聞きたいと言って残った。松本は「あんなんだから、じんちゃんも嫌いになったんや」と言った。その後、弁護士から「娘が遺言の事でかんかんに怒っている」と連絡が入り、さくらはトラブルの予感がした。

【引用: 殉愛411P】
娘のHは火葬のあとしばらくして、遺言書は無効であると主張した。彼女は親密な関係であった父が自分に遺産を与えないのは不自然だと言い、正常な判断力を失った状態で書かれたものだから無効という主張をした。

【引用: 殉愛411P】
Hはまた2014年3月3日にリーガロイヤルホテルで行われた「やしきたかじんを偲ぶ会」にも強引に出席した。最初、会を主催する在阪のテレビ5局のスタッフは、Hを呼ぶつもりはなかった。しかしHから「自分を出席させなければ、会の中止の仮処分申請を裁判所に出す」と言われたために、トラブルに発展することを恐れ、やむなく会に招待したのだ。
(中略)
この会には私も出席していたが・・・会の半ば、さくらがマイクを持って挨拶を始めると、Hと見られる人物が野次を飛ばしているのを目撃している。それは異様な光景であった。